60代後半の母と、冬のヨーロッパに行ってきました。
プラハでは4泊し、うち1日はドレスデンへ日帰り旅行に充てました。1日目の遅くにプラハへ到着したため、実際の滞在はまる2日間でしたが、あまり欲張らずにゆったりと回ることを心掛けました。
観光のメインはプラハ城とカレル橋の上で「モルダウ」を聞くこと。あとは現地での流れに任せましたが、市場でのショッピング、屋台での買い食い、教会でのコンサート等、プラハの街を堪能することができました。
中欧の古都プラハは100塔の街とも言われ、戦争の被害をほとんど受けていないこともあり、何百年ものの歴史を肌で感じることのできる場所です。コンパクトな街ではありますが、それぞれの地域の特色をご紹介します。
目次
オススメ宿泊エリア①:旧市街
旧市街エリアは、11世紀から18世紀の様々な様式の建物が残る場所です。道は迷路のように入り組んでいますが、どの路地を曲がっても今の時代からタイムトリップしているような景色です。観光の見どころも数多くあります。
『旧市街』が宿泊エリアとしてオススメな理由
絶対に外すことができないスポット「カレル橋」。14~15世紀に建築された橋には彫刻が立ち並びます。中には教科書でもおなじみの「フランシスコ・ザビエル」や、台座を触ると幸せになれるという「ヤン・ネポムツキー」等の像があります。
昼間は楽器の演奏などのパフォーマンス、アクセサリーや絵画を売っている人々などもいて、毎日混み合っている観光名所です。日中だけでなく、夜も訪れて欲しい場所です。プラハ城がライトアップされ、なんとも神々しい印象です。
チェコといえば、水よりビールが安いといわれます。ビール好きにおすすめなお店が、「ウ・ドヴォ・コチェク」(二匹の猫)というビアホールです。ウィンドウには、二匹の黒猫のぬいぐるみが飾られています。入り口を入ると立ち飲みのスペースがあり、地元の人でいっぱいです。レストランの部分は、アコーディオンの演奏も入りボヘミア気分も盛り上がります。
私たちが日本人だとわかると「上を向いて歩こう」や「さくらさくら」などを演奏してくれました。お料理は、チェコ名物のグヤーシュやチーズフライなどを堪能しました。
オススメ宿泊エリア②:『ヴァーツラフ広場周辺(新市街)』
ヴァーツラフ広場を中心とした新市街は、建物こそ昔の趣あるものですが、デパートや今はやりのお洋服屋さんなどが立ち並び、現地の若者が多く目立ちます。アンティークショップなども多く、お土産物屋さんとは違ったショッピングもできるエリアです。
『ヴァーツラフ広場周辺(新市街)』が宿泊エリアとしてオススメな理由
ヴァーツラフ広場は、民主化運動の「プラハの春」の舞台ともなった場所です。
私の訪れた11月は、丁度メモリアルなタイミングでもあったようで、民衆が集まった広場の当時の写真と赤い蝋燭が飾られている箇所もありました。(※上の写真はクリスマスの模様です)
実は、今回でプラハを訪れるのは3回目であったのですが、お気に入りのお店で毎回訪れているのがチェコアクセサリーの名店「ミス・ビジュー」です。チェコ名産のビーズやスワロフスキーを使ったアクセサリーは、日本では見かけないデザインばかりです。値段も手ごろなので、毎回記念に購入しています。
ショッピングに欠かせないもう一か所が、「ハヴェル市場」です。
野菜や果物等の生鮮食品や、お土産にぴったりのグッズが揃います。ここで購入するばらまき用のお土産が、爪やすり(ネイルファイル)です。ガラス製でスワロフスキーがちりばめてある美しいやすりが、1本250円程度で購入できます。女子が必ず喜ぶきらびやかさですので、ぜひチェックしてみてください。この爪やすり、ほかのお土産物屋さんでもよく見かけますが、このハヴェル市場が最安値だと思います。
オススメ宿泊エリア③:マラー・ストラナ
旧市街からモルダウ川を越えたプラハ城側にもホテルは点在しています。マラー・ストラナと呼ばれるこのエリアには、プラハ城だけでなく修道院や教会、小さなレストランやショップが点在しています。観光客の多いプラハですが、このエリアに限っては少し静かな雰囲気も味わえます。
『マラー・ストラナ』が宿泊エリアとしてオススメな理由
プラハ城に最も近いエリアであり、巨大なプラハ城を堪能するにはピッタリの場所です。
場内にある黄金の小道には、かつてカフカが執筆活動を行ったと言われる小さな青い家がありますが、このマラー・ストラナには「フランツ・カフカ博物館」があります。直筆の原稿や日記、手紙などが展示されていてカフカファンには必見です。
黄金の小道は、かつて錬金術師を集めて住まわせたと言われる場所ですが、現在では、それぞれの家に当時の暮らしを再現した展示をしたり、お土産物屋として活用がされています。人気のお土産は、皮ひもの両側にチャームのついたブックマークです。猫と糸巻き、音符とバイオリン、丸いりんごとリンゴの芯等ユーモラスなモチーフもあって、嬉しくなってしまいます。
また、聖ミクラーシュ教会は、フレスコ画や祭壇の絵画が非常に美しいだけでなく、モーツアルトがオルガンを演奏した場所でもあります。映画「アマデウス」は、このプラハで撮影されたということもあり、モーツアルトファンにとってプラハはどこを歩いても嬉しくなる街ですが、実際の軌跡を感じることができるのは、この教会が一番です。
私がプラハで宿泊したオススメのホテル
宿泊をしたのは、UNITAS HOTEL(ウニタスホテル)です。旧市街と新市街、どちらにもアクセスがいいこと、(ベツレヘム礼拝堂近辺)もともとは修道院であり、その後、共産党の時代には刑務所として使われた(あのハヴェル元大統領も一時収容されていたらしい)という歴史のある建物であることもポイントでした。
部屋のスペースには余裕がありバスルームも広々。毎日とても丁寧にお掃除もしてくれていました。部屋にお湯のポットはありませんが、各フロアに湯沸かしとコーヒーやお茶のセットが置かれ、自由に使うことができます。
決して大きなホテルではありませんが、朝食のバリエーションも豊富で、まったく飽きることがありませんでした。特に、イワシ(?)のマリネで玉ねぎのスライスを巻いたものは絶品でした。
まとめ〜プラハを旅するあなたへ〜
プラハのすばらしさは、古い昔からの建物が残っていること、そして、何よりその抑圧された歴史がもたらしたものだと思います。
古くはハプスブルグ家に、そして近代となってもナチスドイツ、その後ソ連の影響を受けて抑圧されたチェコの人々は、自由な今、自分の土地に誇りを持ち、観光客に対しても優しく迎えてくれます。スメタナの名曲「モルダウ」も、祖国への誇りをひしひしと感じます。ぜひ、出発前にプラハを舞台にした小説や本と併せて予習をしたうえで旅立ってください。