たまたま家にあったイタリアの本がフィレンツェを取り上げたものだったこと。それだけの理由で初イタリア旅行の行先としてフィレンツェを選びました。一人旅だったその旅行がきっかけとなり、この街は人生の旅を続ける場所にもなりました。
当時の私のように一人旅に慣れた方が、初めてこの街に来ても、ガイドブックではおそらくあまり取り上げられていない美しい場所も楽しめるような、そんな旅の経験がシェアできればと思っています。
知る人ぞ知るフィレンツェの隠れた小さな宝石。ツアー旅行では見ることのできない、美しくてホッとできる空間をお知らせします。
目次
フィレンツェのおすすめ観光スポット『スカルツォの回廊』
ここでおススメしたいのは、何といってもChiostro dello Scalzo(スカルツォの回廊)です。
「間違いのない画家」と呼ばれたルネッサンス後期の画家アンドレア・デル・サルトが描いた「洗礼者ヨハネの一生」が壁一面に広がる、四角形の小さな空間。以前は教会の回廊だったところで、教会は取り壊されてしまい、今では面影もありません。
25人も入れば一杯になってしまうというこの場所は、入場無料。ドゥオモからもわずか徒歩6、7分という歴史地区内にありながら、訪れる人もごくわずかで、気に入れば何時間でもベンチに座って眺め続けていることもできます。喧騒から抜け出して、心穏やかに過ごすことのできる空間です。
フラ・アンジェリコの「受胎告知」があるサンマルコ教会横のカブール通りを、ドゥオモに背を向けて1,2分進むと左手にあります。
また上記のサンマルコ広場から延びる4月27日通り沿いには、もう1つ無料で見られる最後の晩餐もあります。ルネサンス期の画家アンドレア・デル・カスターニョの「最後の晩餐」他、色鮮やかなフレスコ画が美しいSant'Apollonia(サンタポッロニア)です。どちらも無料ながら、質の高い時間を過ごせること間違いなしです。
フィレンツェでおすすめのレザーショップ『Infinity』
フィレンツェでショッピングといえば、やはり革製品が有名です。レザーグッズを売っているお店は山のようにありますが、その中でも感じがよかったのはInfinityというお店でした。
いろいろおしゃべりしていたら、「この建物は変わった造りをしているんだよ」と言って2階の作業室兼素材置き場や、地下のちょっと怪しげな骨董品置き場なども見せてくれました。まだ商品になる前の様々なレザーを見るのは、かなり面白い経験でした。それに普段は目にすることのできない、専用の道具や機械などが散在していて、いかにも工房という雰囲気を味わえたのは、とても貴重な経験でした。
また扱っている商品も、財布やベルト、キーホルダーなどお土産にもちょうどいいものから、しっかりしたジャケットやバッグなどもあって、かなり種類が豊富で、色も鮮やかなものがあったのはさすがイタリアならではでしょうか。ベルトはサイズ調節もしてくれますし、名前やイニシャルが入れられる商品もありました。
フィレンツェ旅行におすすめの宿泊エリア『サン・ロレンツォ地区』
宿泊したのはサン・ロレンツォ地区にあるホテルでした。場所的には、歴史地区のど真ん中とも言えるところで、主な観光名所は、いずれも歩いてすぐという近さなので、観光するにはとても便利だと思いました。それに駅からも歩いて10分もかからないので、スーツケースを引きずりながらでも、それほど苦になるほどの距離ではありませんでした。忠道が石畳なので、スーツケースのタイヤがはまったりして、進みにくいのはちょっと困りましたが。
唯一閉口したのは、夜と明け方に、サン・ロレンツォ地区にたくさん出ている折り畳み式のお土産屋さんがガラガラと移動する音が結構響いて、ゆっくりと眠れなかったことでした。他にも観光の人たちが賑やかに夜遅くまで歩いている場所もあったりで、中信地区でゆっくりと眠るのはなかなか難しいのかもしれませんが。ただ、観光しているとトイレに困ったりすることもありますが、すぐに出入りができる近場にホテルがあるのは、やっぱり便利だと思います。
フィレンツェのホテルの選び方と注意点
滞在したのは部屋数10~15位のホテルでした。そこは航空券を購入した旅行会社のオプションの中から選んだホテルだったのですが、決め手はやはり、個人旅行ということもあって駅からの近さと値段でした。
スーツケースを持っていても、10分もかからずに鉄道駅から来ることができるというアクセスの良さは、できるだけなんでも自分でこなしたいという個人旅行の人におススメです。規模があまり大きくなく、部屋も小さめのホテルだったので、家族旅行というよりも、個人や友人同士の旅行に向いていると思います。実際に朝食で一緒になったほかの観光客の方々も、ほとんど1~2人でした。
ただここで一つ問題が起こりました。ちょうど冬時間から夏時間に切り替わった日が宿泊日に含まれていたのですが、それに気づかず1時間遅れで朝食に遅れて降りてきたアメリカ人の老夫婦が朝食を食べられなかったのです。その場に居合わせた他の宿泊客皆で意見してみたのですが、ホテル側は「ルールはルール」と言って対応してくれなかったのです。そんなこともありますので、3月頃に旅行される方はどうぞご注意を!
私が実は泊まってみたかった高級ホテル『フォーシーズンズホテル フィレンツェ』
私が泊まってみたかったのは『フォーシーズンズホテル フィレンツェ』です。町中を散策していると、フォーシーズンズの豪華な庭園が垣間見え、入り口には時々立派な車が横付けしているのが見えました。ガラス越しにちょっとだけ見えるカフェなどの様子もとても落ち着いて豪華なようで、機会があればぜひとも一度は泊まってみたい超高級ホテルです。
場所もサン・ロレンツォのような人込みからは少し離れていながら、ドゥオモまで歩いて5分位なので、ゆったりと落ち着いた朝食を楽しんだ後に街へ観光に出て、夜はまた静かな環境でくつろいで過ごせるような気がします。きっとあの雰囲気の中に入るには、服装から整えなければならなそうですが。
⇒『フォーシーズンズホテル フィレンツェ』の宿泊プランやレビューを見てみる
まとめ〜フィレンツェを旅する予定のあなたに伝えたいこと〜
色鮮やかな大理石で飾られたドゥオモや、黄金のモザイクが美しい洗礼堂を始めとして、小さいながらも見どころは満載なのがフィレンツェです。
その中でも、大きな美術館や教会にも匹敵するような知る人ぞ知る場所で、贅沢な時間を過ごしてもらえたらと思います。たとえ1日だけの駆け足の観光だったとしても、そこで過ごした10分が1時間にも感じられるような場所、それが「スカルツォの回廊」です。是非この街の「小さな宝石」とも呼ばれるこの場所にも、足を運んでみてくださいね。